「海外研修報告」

海外研修19 : 南京中医薬大学附属病院 夏桂成先生の<周期療法の研修>

南京中医薬大学附属病院 夏桂成先生の不妊症の周期調節法の研修は2003年から始まり、2003年、2004年、2005年、2007年、2008年そして2010年と6回になりました。
私は、お店の皆様の協力のもと6回すべてに参加させていただき、老中医・夏桂成先生の周期調節法の理論から実践まで、細やかに指導を受けてきました。
私たちが実践している周期調節法は夏桂成先生が理論化され中国はもとより、日本、香港、台湾など各国に広められた名実ともに第一人者です。
年齢も80歳と御高齢になられましたが、私たちの研修団にはいつも時間を割いて、進化されている御自身の理論を披露してくださいます。本当にありがたいことです。

今回は周期調節法をお教えくださった恩返しに、500人の妊娠を報告させていただき、拙著「やっぱりママになりたい」の本をお礼に渡すことができ、とても記念すべき研修となりました。

■ 2010年10月11日

南京中医薬大学附属病院 夏桂成先生の外来で不妊症の周期調節法の研修を受けました。
(有名な医師=老中医が集まっている特別な外来診察棟)【名医堂】で御元気な姿に再会できました。

予約患者さんを1日20人にされているようで、1年先までは予約が詰まっている状況です。「早く先生に診て欲しかった」患者さんの生の声がきかれました。本日も国内線で飛行機でこられた方がありました。外来の診察料も400元とか。ずいぶん高値の診察料に成っていました。なかなか御高名な先生にはお金がなくては診てもらえないようですね。
年々中国も高齢の患者さんが増えているようで、夏先生の外来も高齢の方々が多くみられました。

場所を変えて任教授の婦人科外来を研修。
月経不順の患者さんが圧倒的に多く調経が特徴です。診察現場は中国独特で患者さんが診察室に入りこんで3~4人立って待っています。患者さんの情報は筒抜け!日本では考えられない光景ですが、いつも行くと慣れてきて、「こんな感じ!」と平気になるものなのですね。

午後は夏先生の講義
「PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の臨床治について」の講義がありました。日本でも中国でも臨床の中ではよくみられる症例で、年々増加傾向にあります。個々によって治療が難しいのも実情です。
これまで6回に渡っての講義をされてきましたが、「周期調節法でのもっとも重要な点」を再度話され私たちも再認識させられました。
やはり核心に触れられとても重みのある講義で、日本にいては聞かれない内容の濃いものでした。

夜は懇親会
日本からは「不妊カウンセリング学会理事長」、「元聖路加国際病院 女性総合診療部 生殖医療センター所長」の佐藤孝道先生が研修団に御一緒され、日本ではARTのトップの先生が、中国の伝統医学・中医学の周期療法の権威者である夏桂成先生と会うことは、画期的な歴史に残る出来事で、みなさん興奮のるつぼに填っていました。

その中で、周期療法の恩師 夏桂成先生に本を渡す機会をいただき大変感激しました。

夏桂成先生も「おお!」と歓声をあげられ、「しっかりできている!」と御言葉をいただきまたまた感激しました。御世話になっている談勇先生にも「夏桂成先生が一番喜ばれることですよ。(成果が上がったことが)良かったです!」と御ほめの言葉をいただき、皆さんと頑張ったかいがあったととてもうれしく思いました。

■ 10月12日
時先生の婦人科外来研修。
とても多くの患者さんが診察室から溢れていました。教授のそばに4人ほどの助手がつき、カルテを書いたり、パソコンで処方を打ち出し手際良く処理されていました。中国もコンピュータ管理がなされているのですね。
子宮筋腫、子宮内膜症、骨盤内腔炎などの患者が多かったです。漢方薬を服用してもらい、症状によってはホルモン剤を投与されていました。
中医学と西洋医学の合作医療がなされていました。

婦人科疾患で入院中の流産の症例を紹介してくれました。
蘆先生の病棟研修まずは子宮鏡の画像による読影。たくさんの症例のなかから大変わかりやすいきれいな画像を見せてくださり、いろいろ説明をされました。
やはり現場でDRから直接説明をいただけると、あまり接することのない画像にはとても興味を持ちますね。
症例は「習慣性流産」を紹介していただきました。1例は3回流産され月経周期40日目の流産。2例目の方も4回の流産、免疫性不育の治療もおこなってきた方。3例目は子宮筋腫を持ち、腹痛のある方の妊娠維持の方でした。
中医学と西洋医学との併用で安胎・出産させる医療現場の研修でした。

午後は佐藤孝道先生の講演
南京中医薬大学の医学部の学生さんも一緒に講義を受けました。通訳はいつもお世話になっている陳志清先生。
続々集まってくる学生さん。
演題は「着床障害と習慣流産」たくさんのパワーポイントを使い、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜の厚さ、免疫因子、HLA不適合、染色体異常、着床前診断、子宮内膜症の画像を入れながら着床の問題、習慣性流産の問題に触れらての講演でした。
最終はやはり「卵」の問題でしょうか!

■ 10月13日
研修最後は「夏桂成先生を囲んでの質問と関連する講義」
私たち研修団からの質問を受け夏桂成先生がそれにお答えしていただく貴重な時間でした。それぞれ質問が出ましたが、夏桂成先生はそれに丁寧に答えてくださり、大事な要点をきちんと伝えてくださいました。
大変勉強になりました。
午後からは南京城の城壁を見て、黄山に移動。

■ 10月14日
楽しみにしていた黄山に行きました。
素晴らしい景色を何枚か御披露します。

不妊症の周期調節法の研修

夏先生の講義

周期療法の恩師 夏桂成先生

周期療法の恩師 夏桂成先生

蘆先生の病棟研修

夏桂成先生を囲んでの質問と関連する講義

黄山

黄山