「海外研修報告」

海外研修17 : 南山東省 山東中医薬大学附属病院 研修報告

2009年11月18日、19日と済南市にある山東中医薬大学附属病院の婦人科で研修を受けました。

山東中医薬大学附属病院の婦人科は、体外受精を行っている漢方病院としては中国で唯一の病院です。
また、生殖医療センターは、中西医結合(現代生殖医療と漢方薬、鍼治療を含めた中医学を組み合わせた)の不妊治療で、中国で有名な病院です。

◆生殖医療センター
私達は別棟の方から生殖医療センターに入りました。
受付には「希望はここから始まる」と描かれ、来られた方が「やっと此処にたどり着いた!」と希望がもてるような雰囲気でした。

待合コーナーには、壁一面に生殖医療センターの歴史がかかれ、シンボルマークがひときわ目立っていました。

◆鍼治療室も見せてもらいました
ETする時に子宮内膜を着床しやすい厚さにするよう、また排卵もスムースに行えるよう鍼治療が施されるようになっています。
壁には鍼灸のツボの名前も、食事のことも、養生のこともパネルにして飾ってありました。

◆婦人科教授の連方先生の外来研修の光景です
体外受精をされているAさんは、元々PCOSで、崩漏、排卵障害があり漢方薬で治療し、体外受精をされ、着床はしましたが、心拍確認に至らず、今は3周期休憩をされて漢方薬で身体つくりをされているそうです。
このほか外来には「卵胞の成長が悪い」Bさん、「月経が遅れてくる」Cさん、「月経周期が長い」Dさん、「卵巣性無月経」のEさん…など多数。

ホルモン剤を使いながら、漢方薬を併用して身体を整え、排卵時期の鍼を指示して、患者さんのためにからだにやさしい治療をしているのには、本当に共感でき感動しました。
連方教授は私達の研修のため、特別の外来の日を設定してくださいました。心から感謝です。

◆孫震高先生の男科の研修もありました。
男科で男性専門かと思いましたが、女性の患者さん、またご夫妻で来られている方が多く見られました。
孫先生は多くの患者さんとはしっかりコミニュケーションをとり、信頼関係を作ることがとても大事と治療の基本を話されました。
担当医師とコミニュケーション取れないと嘆く日本の患者さんの不満の声が聞こえてきます。
孫先生のところには「PCOS」、「子宮筋腫」、「子宮内膜症と卵管狭窄」、「「黄体化未破裂卵胞(LUF)」「卵巣早衰(POF)」の方など沢山の方々が来られていましたが、どの患者さんにも笑顔で診られている姿には感動しました。

【連方先生の講義】
高度生殖医療と漢方の周期療法(周期調節法)、更に鍼治療を組み合わせて如何に質の良い卵を作り、妊娠を維持していくか、これは私達の課題でもありましたので必死で聞きました。

  • 卵胞期の漢方薬の使い方(卵の発育~着床まで細かく分けて使う)
  • 体外受精の準備段階の漢方薬の使い方
  • 排卵誘発剤使用時の漢方薬の使い方
  • 移植時の漢方薬の使い方
  • 移植後の漢方薬の使い方

「針刺治療による卵巣血流」の学術論文も公表されました。
スライドを100枚以上使っての丁寧な講義は、私たちが日本では望んでも見られない貴重な経験のデーターで、大変価値あるものでした。

時間があればもっとお聞きしたかったのすが、3時間にも及ぶ講義で 連方先生もお疲れのご様子。
皆で記念撮影して終わりました。

山東中医薬大学附属病院の婦人科
山東中医薬大学附属病院の婦人科

「希望はここから始まる」と描かれた受付
「希望はここから始まる」と描かれた受付

待合コーナー
待合コーナー

鍼灸のツボの名前などのパネル
鍼灸のツボの名前などのパネル

婦人科教授の連方先生の外来研修
婦人科教授の連方先生の外来研修

記念撮影

研修終了にいただいた証書
研修終了にいただいた証書