「海外研修報告」

海外研修6 : 田七人参のふるさと・中国雲南の旅-1

古村学先生が行ってきました。
5月連休を利用して、中国雲南省昆明と文山を訪れる機会を得ました。(片仔廣ジャパン(株)主催の旅)
目的は田七人参の栽培地を視察し、田七に関する正しい情報を得るためです。

【文山県】
昆明から車に乗って8時間、広々とした農地を過ぎ、少数民族の村を通り抜け、山の斜面に作られた危険な道をグネグネと走りぬけると、まるで浦島太郎の世界のように大都会が突然現れます。
山を走っているときは、この先には山里しかないのではと思っていただけに驚きです。

文山市はベトナムとの国境に近く、南部色が濃い街です。タバコ生産と麻薬?と三七で発展したのでは。しかしここでも貧富の差は大きく、中国全体が抱える問題を感じます。
文山までの間は様々な景色が変わります。
農村部は30年前の日本の水田耕作と同じように水牛と人手による作業が見られ、少し山間部に行くと赤茶けて痩せた土地ではトウモロコシや小麦の栽培が行われ、山間部では子供たちが木苺を採り、通行する車に売って生計を助けています。
雲南省には27の少数民族が住んでいます。元々日本人のルーツがここの少数民族と言われ、顔も食生活も似ています。食べるものすべてがうまい!
朝の自由市場に行くと米や野菜、きのこ、木の実などが豊富で、且つ日本と同様の種類で驚きました。また三七のひげ根はスープや揚げ物にして食用され、とても美味しいです!
また子供のころによく食べた蜂の子があり、これも珍味でした。マッタケは日本に輸出されています。昔の人間には住みやすいところかもしれません。

【三七の分類】
田七は中国で<三七>と言い、中国でも特定の地域でしか生育できない貴重な生薬です。
ここ雲南省は全中国の80%を産出し、そのほとんどが文山で栽培されています。
日本では3年ものとか7年ものとか生育年数で区分しますが、本来の分類は30頭や80頭などと言って大きさで分類され、年数ではありません。
三七研究所の所長によると、3年根で充分な成分を有しており、価格的にもリーズナブルで、7年にこだわることはないそうです。
日本の大学で分析されたデータを見ても、80頭がサポニンやフラボノイドが最も多く含まれ、優れているとの結果が出ています。
日本で様々な商品が売られていますが、なにも10年根などの高い商品にこだわる必要がありません。
また加工されたものの品質、成分量の判断は難しく、信頼できるメーカーの商品を買うしかないそうです!
なお、中国で有名な三七製品は<雲南白薬>と<片仔廣>があり、日本には片仔廣集団公司が製造する<廣禅顆粒>が信頼を得ています。
三七の見分け方や効能、用途など広く情報を得られました。ぜひ三七をお試しいただきたいです。

【三七の栽培】
栽培は温度と湿度と土壌酸性度管理が難しく、この地がもっとも適しているようです。
昔は金不換と言われ、金とでも交換できないくらい貴重なものでした。今でも栽培には細心の注意が払われ、手をかけて栽培されています。人手が豊富な中国だからこそ出来るのかもしれません。

赤茶色の大地・トウモロコシ畑
赤茶色の大地・トウモロコシ畑

文山の朝・自由市場にて
文山の朝・自由市場にて

三七ひげ根入りスープ
三七ひげ根入りスープ

三七苗の栽培地にて
三七苗の栽培地にて

天然三七の10年根です
天然三七の10年根です

三七畑を守り育てるおじいさん
三七畑を守り育てるおじいさん